音の単元第3,4時 走り始めた探究

音の単元

第3・4時

「音はどうやって音が出ているのか」

楽器ごとにどのように音が出ているのか共有した。

楽器で共通しているところは、振動しているところ。逆に、違うところは、振動の仕方や音が違うと言っている子が多かった。ただ、この全体の時間は、それぞれの楽器について気づいたことなどを共有したが、体験の鮮度が落ちていて、やっぱり前回のうちにやっておくか、共有の仕方を考える必要があった。

そこから、いよいよ子どもたちに委ねて解決する時間になる。まずは、『だれもが科学者になれる探究力を育む理科の授業』の科学的発見シートを参考にしたワークシートに、これから調べたい問い・予想仮説(その問いの答えだと思うこと)・実験計画(準備物、やりかた)を書いてもらった。そこでの調べたい問いは、問いベスト3からでも今考えることでもいいから書こうということにした。

その前日に、石川晋さんとの対話を通して、いろいろとアイデアをもらっていたので、

子どもが教具をつくるイメージで、ひとまず思いつくものを教室に置いた。

 


紙コップ・すずらんテープ・タコ糸・クリップ・輪ゴム・新聞紙・段ボール・ガムテープ・割り箸など。(空き缶、ペットボトル、箱なんかもあると面白かったかな。)

 


早速、実験計画までを書き終えたグループが、品物選びを始める。その後、各グループの計画を聞かせてもらって、やり始めていた。本当におもしろかった。輪ゴムを伸ばしたり緩めたりしてはじいて音の高低を感じている子、紙コップで糸電話をつくっている子。大声を出しながら自分の喉を触りながら振動を感じている子。どうそうなったのか、ギロを作っている子。

特に、多かったのは糸電話をつくっている子だった。しかし、試していることがバラバラで面白かった。2人以上で糸電話ができるか試していたり、糸電話の振動を感じようと糸にクリップを複数ひっかけて揺れをわかりやすく可視化しようと試みたり。

「おもしろいなあ」「これ、何なん?」「なんでなんやろ?」この時間、これらの言葉中心で関わった。いつも勢いよく手を挙げて、いざ自分の考えを発表する時に「忘れた。やっぱり分からん」という子も、理由を尋ねたら「これは手で触ってて響かないから音が出ないんだと思う。」と自分の発見をきちんと言語化できていたり。これだけでも価値がありそう。

ただ、1つ気になったのは、科学的発見シートは、子どもにとってどういう存在だったのか。はたまた、はじめに決めた「調べたい問い」から飛び越えていろいろ試しており、問いに答えるためのアプローチになっていたのかということ。子どもは考えて、その時々の試している活動の中に問いとそれに対する仮説をもって取り組んでいるが、はじめに決めた「調べたい問い」に向かっているかは分からなかった。ここらへんがモヤモヤしてしまった。たぶんこういうことに引っかかるのは、この学びではこの問題が解けそうだなとか単元テストが頭の中にチラついていたからだろう。あゆみに関わる単元テストで良い点をとってほしいけど、なんだかなあ。さらに、科学的発見シートはやったことを記録に残してほしいという僕自身の願望みたいなものであって、記録自体に意味はあったのだろうか。そういえばワークシートを集め忘れてたから、今日の発見に書いている内容を見て考えたい。伊垣尚人さんのブログも読み直そうか。

また、石川晋さんとの対話の中で、肝になるのは、実験計画を立てる部分だと答えたけど、やってみて、いろいろ触りながら試行錯誤して実験するところこそ肝になるんだなあと現時点では思った。